◆「部下に残業はさせない」熱い上司への違和感

零細企業の激務に嫌気がさした詩織さんが、転職活動の一環として交流会に参加したときのこと。マネージャー職だという男性Aさんと知り合いました。

「メンバーの成長が何よりの喜び。チャレンジできる環境を惜しみなく提供する」「僕が徹夜で代わってでも、部下には残業させない。その時間をスキルアップの勉強に充ててほしい」「僕のチームは何度も表彰されている」と、部下への思いを熱く語る姿に強く惹かれたと言います。

「以前の職場は、法令ギリギリの残業は当たり前。クライアントの都合に振り回されることもしょっちゅうで、上司は部下を守るどころか無理難題を押し付けるような状態でした。業界的にどこも同じだろうと思っていたのですが、Aさんの下でなら、健全に働けて、キャリアアップもできるのではないかと感じたんです」

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その後、Aさんと何度か面会を重ね、会社との面談も経て転職。詩織さんはAさんの部下として働くことになります。

「規模の小さい会社で部署内の人数も少なめでしたが、メンバー同士助け合っていて働きやすい環境だと感じました」

ところが仕事に慣れはじめた頃から、部署内の雰囲気に違和感を覚えるように……。