◆「こんな顔じゃない」と言われることも
──実際にサービスを行ってみて分かったこととして、どんなことがありますか?
廣瀬社長:人間は亡くなった方をイメージで捉えていて、正確な見た目を覚えていないケースが多いということですね。遺された人の記憶にある故人の姿と実際のギャップがあることもしばしばで……。「こんなんじゃない」と言われても、こちらはご提供いただいたお写真のとおりに作っているので、困っちゃうんです(笑)。
そういう意味で遺人形は、実際の見た目よりも、ご依頼者様のイメージに近いかたちに仕上げることが優先されるものなので、製作段階でしっかりとヒアリングすることが大切ですし、3Dデータの段階でご依頼を受けて何度も修正することもあります。そういった場合、長くて3~4か月かかりますね。
──キャラクターや存命の人物フィギュアよりも技術的なハードルが高いうえに、依頼者も特別な思いを抱いているぶん難しさがあるのですね。ビジネスとしてのメリットはいかがなのでしょうか。
廣瀬社長:正直、商売としてはかなり厳しいものがあって、ある意味では利益度外視で続けているサービスと言えます。