◆殺風景な部屋でダイエットにはげむ彼女

 なんだか以前よりぽっちゃりしたN子さんに驚く米田さん。彼女は「なんで急に来たりするの?」とちょっとイライラしながらも、部屋に入れてくれたそう。

「するとN子の部屋の殺風景さにまず驚きましたね…うっすい布団と、部屋の隅に洋服が積んであって、あとカラーボックスとノートパソコンがあるぐらいで…洗濯機も冷蔵庫も電子レンジも無いんですよ」

引っ越し
 話を聞くとN子さんは、米田さんの家で美味しい料理を食べ過ぎてしまい5kgも太ってしまったんだそう。

「実はN子、普段ひとりでいる時はほとんど食事をとらないって言うんですよ。でも誰かといる時はめちゃくちゃ食べて『私、すっごく食べるけど太らないんです~』というふうに周りにアピールしていたらしいんですよね…」

 元の体重に戻すために、何もない自室でダイエットに励んでいたというN子さんの話を聞いているうちに、どんどん不安な気持ちになってしまった米田さん。

「いくらダイエットのためと言っても、冷蔵庫もお皿も無い部屋で、何も食べないでガマンするなんて…極端過ぎますよね? 今後、もし一緒に暮らしたり…子供が出来たりしたらどうする気なんだろう? と、つい考えてしまって…」

 それからN子さんとの仲はギクシャクしてしまい、自然消滅してしまったんだとか。

「なんか普通に冷蔵庫ぐらい持っていて欲しいし、バランス良く食事を摂って、運動しながらダイエットできる女性がいいなと思ってしまって…あれ、僕って心狭いですかね?」

<文&イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】

漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop