◆確立された池上季実子像を変えたかった
――本作、『風の奏の君へ』のオファーは、いつ頃だったのでしょうか?
池上:オファーが来たのは、2019年でした。ただ、今回の映画のお話が来るまでは、自分はどうなのかなと思っていました。
それまで二枚目路線と言いますか、ある意味で演じる役に偏りがあって。それはそれでありがたく、それで確立された池上季実子像があることもわかっていたので感謝はしていたのですが、一方で、役者なのでいろいろな役を演じたいとも思っていたんです。なので今回おばあちゃん役、二つ返事でした。
――物語の中心となる兄弟の祖母役は、どのように演じたのですか?
池上:シャキッとしたおばあちゃんではなく、足も悪くて座るのも一苦労なおばあさんがいいなというイメージが、まずありました。孫がおばあちゃんを心配して帰って来ている家、田舎にありそうな感じです。