◆サブタイトルに毎回「○○」が入っている理由

 説教臭くならないことを意識すると、メッセージ性がぼんやりしてしまうため、「結局、何が言いたいの?」と視聴者に思われかねない。

 原口さんは「言い切らない、答えを出さない、ということは決めているのですが、やはり『言い切ってほしい』と思っている視聴者も多いと思います」と頭を抱えるポイントであると口にするが、「『言い切らないからこそ議論が生まれたら面白いのでは?』という意識を持っています。そのため、各話に設けたサブタイトルには『○○より○○って思う人生って、どうよ?』というように、“○○に入る言葉は何なのか”という議論が起きやすいようにあえて○○をサブタイトルに入れました」と答える。

「くすぶり女とすん止め女」
Ⓒ「くすぶり女とすん止め女」製作委員会
「もちろん、誰も言い切らないとそれはそれで締まりがなくなるため、MEGUMIさん演じるスナックのチーママがバシッと言い切ることで、作中にアクセントを加えました。ちーママのセリフは全部アドリブで、各話の問いに対して、毎回MEGUMIさんの「答え」を持ってきてもらっていました。

 MEGUMIさんがバラエティ番組で、痒い所に手が届くようなコメントをしているシーンを何度も見かけていますよね。今回のドラマでも同じようなことが起こり、思わず頷いてしまう『答え』が届けられたと思っています」