◆安易な“男児ヘイト”は何も解決しない

母子だけの外出の際に、まだまだ小さな男児が婦人科や授乳室、女子トイレや銭湯に入ることは致し方ない部分も大いにあります。そもそも女性専用の場所に連れてこなくてもいいように、預かり保育やシッターサービスの拡充、多目的トイレの増設や男子トイレの治安向上、父親のさらなる育児参加が進んだりすれば、“男児を連れてこないで”という人たちの希望が叶うのではないでしょうか。

にもかかわらず、ただ婦人科や授乳室、女子トイレや銭湯にいる男児だけを見て“男児ヘイト”をまき散らすのは、子育てしにくい社会をどんどん作りだしているように思えてなりません。

男性のみならず男児にまで憎悪の気持ちをむき出してしまうことは、同性である男児ママをも苦しめてしまうでしょう。男児をめぐって女性同士でいがみ合い、苦しめ合うのではなく、建設的な子育て環境に向けた議論が進んでいってほしいものです。

<文/エタノール純子>

【エタノール純子】

編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中