◆漢方が苦いのには理由がある

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漢方薬には苦いもの、甘いものなどいろいろ
――安心なイメージが強いですが、あくまで薬。漫然(まんぜん)と飲み続けてはいけないんですね。漢方薬といえば苦かったり酸っぱかったり味が苦手な方も多いと思いますが、顆粒(かりゅう)の漢方薬の飲み方のコツはありますか?

砂橋さん「漢方薬にもいろいろな味がありますので、あくまで一般論にはなりますが、先に口の中に水を含んでからその水の中に顆粒を落とすように入れてみてください。水によって漢方薬の顆粒が固まり、1つの個体になって喉の中に落ちていくので飲みやすくなると思います」

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山本さん「苦い味が苦手という声もよく頂きますが、学術的な話をすると、漢方ではその味も薬効のひとつだという考え方があります。『五臓六腑』という言葉がありますが、漢方には苦い・酸っぱい・辛い・塩辛い・甘い、の5つの味があります。

この5つの味が内臓に働きかけているとされていて、甘い味は腸に、辛い味は肺に、苦い味は心臓に、酸っぱい味は肝臓に、塩辛い味は腎臓に働きかけると言われています。

たとえば、沖縄のニガウリ(ゴーヤ)の苦みには熱を冷ます役割がありますよね。わかりやすいのは葛根湯で、例えば辛いものを食べると汗が出ますよね。葛根湯にも少し辛味があり、身体を温める作用があります。このように味にも効能があるんですよね」

――味にも意味があったとは驚きました。でも錠剤の方がやっぱり飲みやすいです……

山本さん「どうしても苦手な方は錠剤で選んでいただいても問題ないのですが、『葛根湯』のように【湯】とついているものは液体がよく、顆粒も錠剤も効果は同じですが、顆粒の場合はお湯で溶かして飲むとより効果を実感しやすいです。」