■脚本賞/『くるり』
脚本賞も『くるり』です。とにかく、思想的な面とキュンなラブコメとストーカーを巡るミステリーと、その3軸を同時並行で動かしながら、それぞれの要素できっちり最終回までまとめてきた手腕に感服です。
特に、第9話でベタベタのラブコメだけをやっているのに、それまでに語ってきた思想や仕掛けがあるおかげで重層的な展開に見えてくる構図はすごかった。驚きました。
レビューに「作り手側に、感情をコントロールされているように感じるんです。これまで与えられてきた情報によって、見る側がどれくらいのテンションで画面を追いかけているか、完全に把握されているという感触がある。」と書きましたが、これはドラマを見ていて得られる快感のひとつだと思うんですよ。