◆相手に金銭的な余裕があれば、高めの慰謝料で着地するケースも

――例えば、相手がお金に余裕がある人だったら、請求する慰謝料の金額は変わったりしますか?

「法律上は相手方の資力は慰謝料の増額要素にはならないと思います。しかし実際の交渉においては、資力がある相手の方が訴訟を避けるために、通常より高めの金額で合意されているケースもあります」

――法律上通らなさそうでも、ダメ元で言ってみたら支払いに応じてもらえることもあるんですね。婚約相手が浮気して婚約破棄になった場合、浮気相手に対しても怒りの感情があると思うんです。その場合、交際相手だけでなく、浮気相手も訴えることはできるんでしょうか?

「そうですね、浮気相手も訴えることはできます。ただ結婚しているわけではないので、いわゆる内縁関係と同程度の関係であると認められる必要があるのと、交際相手に婚約者がいることを浮気相手が認識していない可能性もあるので、慰謝料の請求をするためのハードルは少し高いでしょう」

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婚活の目的でもある、結婚。それが手に入る寸前に白紙に戻ってしまう苦しみは、想像を絶することだと思います。この苦しみに対する慰謝料を支払ってほしいと思う人もいるでしょう。しかし、婚姻状態にない関係の慰謝料請求はなかなか難しいものだということがわかりました。

結婚という話が出たら、しっかりと親など周りの人たちに対するアクションを取りながら進めていくことと、お相手の気持ちや行動をしっかりと観察しておくことも大事かもしれません。

【弁護士 内山悠太郎】

東京スタートアップ法律事務所 宮崎支店支店長。趣味のサーフィンのために宮崎に移住。著書に『スタートアップの法務ガイド』、『スタートアップの人事労務ガイド』(ともに中央経済社刊)がある。

<取材・文/田中亜依>

【田中亜依】

恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019