◆多岐川なら滝行くらい朝飯前と考えた?

 いや、何で? 滝藤という苗字だから滝行とか? ちょっとしたシャレだとしても、絶対この場面いらないでしょとツッコミたくなる。だけど同時に妙に納得してしまう。

 この滝行の初登場場面の直前、最高裁判所長官・星朋彦(平田満)が人事課長・桂場等一郎(松山ケンイチ)と秘書課長・久藤頼安(沢村一樹)に「どうだい、例の件は」と聞く。すると久藤が、「あの人なら、きっと、やり遂げてくれるでしょう」と答える。

 そう納得させるからには、ちょっと浮世離れした人物像のほうがいいんじゃないか。だったら滝行くらい朝飯前だろう。きっとそういうふうに考えて、あの蛇足的場面が描かれたのではないだろうか?