◆“コンビニ飯=贅沢品”という人が増えているのでは

 どちらも単なるフィクションの話じゃないか、と思う人もいるかしれない。しかし、ひと昔前のドラマや映画では、上京する我が子を心配した親が「コンビニ弁当ばかり食べていないかい?」と電話越しに尋ねるシーンが珍しくなかった。コンビニ飯は気軽に手が出せる商品だったからこそ、こういったセリフがよく使われていたのだろう。ただ、時代は変わり前出の姫子や理紀のように“コンビニ飯=贅沢品”と考えている人は増えているのではないか。

 日本の実質賃金は30年近くほぼ横ばい。にもかかわらず、税金や社会保険料は上がっており、経済的に困窮している人は少なくない。増量キャンペーンが実施されないとコンビニ飯に手が伸ばせなくなった人が増加したからこそ、人気を集める企画になった可能性は低くない。

<文/望月悠木>

【望月悠木】

フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki