終身払いにすることで老後の家計が圧迫されるケースが
終身医療保険に加入する場合、終身払いにすることで保険料を安く抑えることはできる。しかしこの払込方法では、退職して収入が減った老後も、亡くなるまで保険料を支払い続けなければならない。保険料を終身払いにすることで、老後の家計が圧迫されてしまう可能性があるのだ。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険会社の『健康のお守り』という商品で、具体的にシミュレーションしてみる。40歳男性が入院保障日額1万円で加入する場合、月額保険料は終身払いで3,957円、60歳払い済みで8,045円となる(2018年6月現在)。
保険料だけを比較すると後者の方が割高なようにも思えるが、働き盛りで収入が安定している時期に支払う月額8,045円と老後に支払う月額3,957円とでは、その性質が大きく異なる。「80代、90代になってからも滞りなく保険料を支払えるだろうか……」と不安に思う人も多いのではないだろうか。
保険料を短期払いにして老後に備える
医療保険は、保険料を単純に比較するだけでは内容の良し悪しを測ることができない。上述のシミュレーション例のように、全く同じ保障内容でも払込期間によって、月額保険料に倍以上の違いがでるケースがあるからだ。たとえ倍以上の保険料になったとしても、老後の保険料負担がなくなるのであれば十分価値があるのではないだろうか。
医療保険に加入する際は「現在の保険料を安く抑える」ことだけを考えるのではなく、「老後の保険料負担を軽くする」という点についても入念に検討することをおすすめする。収入が安定しており、ある程度の余裕があるのであれば、短期払いを選択して老後の負担をなくすのも1つの選択肢ではないだろうか。
無理なく払い続けられる保険料を設定する
医療保険に加入する際は、もう1つ気を付けなければならないポイントがある。それは、「保険料を無理なく払い続けられる額に設定する」ということだ。
平均寿命が伸びている現在、保険期間が終身の医療保険はマストといっても過言ではない。ただし、保険期間を通して保障を得るためには保険料を払い続けなければならず、これが難しくなり契約が失効した場合は、それ以降保障を受けることができない。もちろん、経済状態が安定した後で再度保険に加入するという方法もあるが、健康状態によってはそれが難しい可能性もある。
保険料について考える際に大切なのは、「相場がいくらなのか」「高いのか」「安いのか」、ということではなく、「払い続けられるのか」ということなのだ。