篠田さん自身の「器」の使い分けは?
篠田さんは、お金管理の「器」をどう活用しているのでしょう。
「預金口座では、短期間の定期預金を自動継続にしています。保険については掛け捨てのシンプルなものにしています。ただ、保険はライフステージの変化によって変えていただく必要があるということは把握しておいてください」
篠田さんが「増やす」で活用しているのは投資信託です。
「私は仕事柄、株の取引に制限があり、資産はすべて投資信託で運用しています。株式の投資信託が中心で、iDeCo、NISA、それから証券会社の特定口座で積み立てをしています」
いわく、具体的な「増やす」は「節税効果の高い制度から」が原則とのこと。
「もっとも節税効果が高いのがiDeCo。次がNISA、つみたてNISA。証券会社の特定口座や一般口座は非課税メリットがあるわけではないので、もし投資資金が余分にあったら、で結構です」
篠田さんのポートフォリオ公開!
節税効果ナンバーワンのiDeCoについて、篠田さんから興味深いお話を伺いました。
「確定拠出年金は、iDeCo(個人型)も企業型も(仕組みは)基本的に同じで、自分で資産運用するということです。難しそうに聞こえますが、そんなことは全くありません。そして、実は女性にとってはとても都合のいい制度です。ライフステージに応じて掛け金を増減できますし、受け取りも絶対に60歳(からと決まっているわけ)ではなく、60歳から70歳の間でいいのです」
転職する際、企業型確定拠出年金の「引っ越し」も経験した篠田さんのポートフォリオはこのようになっていました。
▽企業型確定拠出年金からの移管資産(現金化したお金)
- 定期預金…50%
- バランス型ファンド(投資信託)…50% ▽iDeCoの掛け金(月2万3000円)
- 海外株式(インデックス)ファンド…50%
- 国内株式(アクティブ)ファンド…40%
国内REIT(アクティブ)…10% 「(企業型確定拠出年金を)『お引っ越し』するときは、いったん資金を現金化しなければなりません。『移管資産』は、転職前に運用して現金化したお金です。金額が大きいので半分は定期預金、残りはバランス型ファンド(投資信託)にしていますが、そろそろ全額をバランス型ファンドにしてもいいかなと思っています」
「掛け金」とあるほうが、現在月に2万3000円ずつiDeCoで運用しているお金です。
「株式の投資信託で積極的に運用しています。REIT(リート=不動産投資信託)も持っていますが、今後は国内株式と海外株式の投資信託で半々ずつ(運用)しようかと思っています。年金の開始までまだ十分に時間があるので、シンプルに資産を増やしていこうと考えています」
アメリカでは女性の半分が確定拠出年金に加入
こんな話題もありました。
篠田さんの愛読誌でもあるアメリカのファッション誌『GLAMOUR』が、お金の大特集を組みました。これだけでもすごいことですが、その中に確定拠出年金についてのアンケートがあり、回答者1143人のうち56%が「加入していない」と答えています。
「このアンケートのニュアンスからすると『加入していない人がこんなに多い』ということなのですが、私の感覚からすると、残りの女性(44%)は加入しているということ。日本で同じアンケートを取ったら、『大部分が加入していない』となるでしょう」
ちなみに、そのほかのアンケート結果で篠田さんが注目したのは、「85%が株を持っていない」「51%が貯金500ドル以下」という部分でした。
「女子会」の魅力たっぷりのセミナー
セミナー後半は、ファイナンシャル・プランナーかつ「美人投資」代表の久富有里加さんによる「ポイントのお得な貯め方」講座。こちらも、詳しい友達に教えてもらっているような、親しみやすい内容でした。
女性同士の話で楽しいのは「あなたはどうしているの?」という個人的な情報を分かち合うことや、「うん、うん、分かる」といった共感ですよね。
今回のセミナーでは篠田さん自身の運用ポートフォリオまで教えてもらい、内容も「女子会」というコンセプトそのもの。筆者は参加者としても楽しませてもらいました。
「投資セミナーに興味はあるけれど、男性の目が気になる」という女性の声はよく聞きます。でも、質を維持しながら、ここまで「女子会」に振り切ったイベントは、投資のすそ野が広がってきていることを実感しました。
文・阿部祐子/DAILY ANDS
【こちらの記事もおすすめ】
>1万円から始められる投資があるって、知っていますか?
>あなたの資産運用リスク許容度がわかる10のチェックリスト
>買い物ついでにプチ資産運用 「おつり投資」「ポイント投資」って?
>寄付だけじゃない!クラウドファンディング2つの「新しい形」
>何から始めたらいい?投資のはじめの第一歩