丸の内のおしゃれなレストランでスイーツを楽しみながら、女性だけでお金の話。こんな「お金の女子会」が2018年6月に開催されました。
集まったのは20代~30代の女性30人。店内は仕事帰りの女性で満席となり、華やかな雰囲気に包まれました。
講師は、楽天証券のファンドアナリスト篠田尚子さん、ファイナンシャル・プランナーで「美人投資」代表の久富有里加さんです。楽しげな雰囲気をかもし出しながらも、参加者は真剣に耳を傾けていました。その内容を少しご紹介します。
筋肉質の資産ポートフォリオを作るには
「長期投資を成功させるには、『資産分散』『時間分散』の2つの要素が必要です。今日のお話でどちらも身に付きますから、まずこの要素を覚えておいてください」(※以下、カッコ内はすべて篠田さんの発言)
篠田さんは、健康意識の高い人がピラミッド型の栄養指針「(ヘルシー)フードピラミッド」で食事管理をするように、資産管理も「ピラミッド」で考えることが大事だと語ります。
「まず見ていただきたいのは、自分の金融資産がこのピラミッドのようになっているかです。資産運用でうまくいかなくなるのは、このピラミッドが作られていないか、作ろうとしていない場合です」
ピラミッドの一番下は、「預金、現金」といった流動性の高いお金です。金融資産のベースとなる部分を安定させたうえで、真ん中の「投資性金融商品」部分の活用が大切だと篠田さんは強調します。
「株式、債券、投資信託、それらを組み入れることができる(企業型・個人型の)確定拠出年金、NISAやつみたてNISAといった非課税制度。こうしたものを上手に取り入れることで、より筋肉質な資産を作ることができます」
ありがちなのが、「その他」と書いてあるピラミッドの頂上に一気にジャンプしてしまうこと。ここにはFX、物件購入による不動産取引、仮想通貨など、少ない元手で「てこの原理」を使ってもうけようとする投資方法や、投資の「おまけ」的存在である株主優待、ふるさと納税も含まれています。
投資と長く付き合うのなら、手早くもうけたい、「おまけ」が欲しいと「ジャンプしたくなる」気持ちは抑え、まずは「投資性金融商品」に注目するのがよいでしょう。
お金管理の「器」を上手に使い分ける
こんな指摘もありました。
「お金には『守る』器と『増やす』器があります。『守る』のほうで増やそうとしないでください。皆さんご存じのように、今は金利が低いですよね。預金や保険は金利にとても影響されます。世界的に(見ても)、今は預金や保険で増やすことは不可能です」
例えば、「ふるさと納税」も間違えやすいポイントだと篠田さん。ふるさと納税は「守る」「増やす」どちらにも入りません。地方への「貢献」に加えて「お得」という視点では「返礼品」がもらえるメリットもありますが、あくまでも「楽しむ」という位置づけだということです。
「ふるさと納税ではお金は貯まりませんし、増えません。資産形成を助ける制度ではないので、投資と混同しないようにしましょう」
一方、パネル2(写真)の右側、「増やす」の器には、iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISAといった制度を上手に取り入れ、優先順位をつけてお金を振り分けていくことが大事になるのですね。