◆一方、道長は……

NHK『光る君へ』第22回
体調を崩した為時に代わり、道長へ三国殺しについて判断を仰ぐ文を送ったまひろ。前例がないことゆえ、とりあえずは「そちらのことはそちらでどうにかしろ」といった旨の返事が届く。道長は道長で問題が山積みなのだ。

政においてもそうだが、定子(高畑充希)が妊娠しているということも道長にとって大きな懸念事項だ。母が亡くなり、兄たちは遠い地にいる定子にとって、頼りになる者はいない。自分はどうなってもいい、しかし、おなかの子を守ってほしいと訴える。

定子が出産を控えていると知った一条天皇(塩野瑛久)は、すぐに定子に会いに行こうとする。もちろん、道長は止める。自ら髪を下ろした定子に会いに行っては朝廷のけじめがつかない。もちろん、定子を内裏に呼び戻すことも認められない。

もう二度と会えないのか、と表情を歪める一条天皇。一条天皇の行動は内裏を乱すことになる。それを止めるのが道長の役割だ。しかし、一条天皇の定子に対する想いは厚い。このまますんなり収まるとは思えないが……。

そんな道長、一番感情がだだもれだったのがまひろの文字を見たとき。こんなときにまひろがそばにいてくれたら、などと考えたりはしないのだろうか。

<文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】

大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ