今回のラストでアスカが流した涙は、一見して「もう一度ハルトとやり直したい」という涙に見えますが、そうではないとドラマが言っている。「事故の前に戻りたい」という身勝手な涙だと、不用意な脚本がそう言ってしまっている。

 こういうところなんですよね。登場人物たちの心の動きを追わず、ただ普遍的で凡庸な「こういうシチュって切ないよね」という記号をドラマの主軸に置いてしまったことで、逆に人物たちにひどい仕打ちをしてしまっていることに脚本家が気づいてないんです。看護師さんなんて単なる“噛ませ犬”として通りすがりのジョギングマンに突き飛ばされて、泣かされている。

 Xのポストが主題歌デュエットの話題ばかりなのもうなずけるところです。作り手が人物に寄り添わず、切ないシチュエーションの提示だけにご執心なわけですから、誰の心にも刺さるわけがない。

 あと、今どき渦巻きコンロを使うメリットはないから、壊れたら修理じゃなくてIHなりに交換した方がいいと思うよ、1人用なら3,000円くらいでしょう。今回はそんな感じです。

(文=どらまっ子AKIちゃん)