◆本命の俳優養成所オーディションを断念
高校を卒業したら、俳優養成所に進むつもりだったので、本命の加藤健一事務所のオーディションを受けることにしていました。しかしオーディションを間近に控えた高校三年の冬、なんとバイクで事故ってしまい、緊急入院したんです。
オーディションを受ける代わりに全身麻酔をして手術を受けました……というオチです(笑)。
病院までお見舞いに来てくれた担任の先生に、「どうした?」と聞かれましたが、バイクは校則で禁止だったので、「バイクで事故りました」とは言えず、「階段から落ちました」と。先生は苦笑い。もうバレバレですわ(汗)。ちなみに、そのときの傷はいまも鎖骨あたりに残っています。
加藤健一事務所のオーディションは年に一度しかなかったので、このままだといわゆる「プー太郎」になってしまう。「一年も棒に振るのは嫌だ」と別の俳優養成所を探した結果、加藤健一事務所でよく演出を担当していた星充さん(故人)の養成所に入りました。「加藤健一さんに少しでも近いところにいられれば」という思いもありましたが、結局、ご本人には会えませんでした。
実は落語家になってから仲良くなった劇団「花組芝居」の舞台に立ったときに加藤健一さんがたまたま見に来られていて、ご挨拶したことがあります。「高校時代からのファンです」と、積年の思いを伝えられてうれしかったです。