◆真実告知の“伝え方”に悩んだことも

『私の家族』©TBS
『私の家族』©TBS
――インタビュー前半では真実告知について「日常の中で当たり前のように伝えようとした」といった話をされていました。

久保田:そうありたいなと思ったのですが、難しさもありました。私たちが利用した特別養子縁組では、生みの親と直接交流することは基本的にはなく、生みの親の詳しい情報は私たちは知りません。だから、娘から聞かれても、どんな人なのかなど説明できないことも多いんです。きちんと話したいのに「何を伝えればいいの?」と、なってしまうこともありました。

娘ときちんと話したいという自分の理想と、それができないもどかしさ。でも娘は日々成長し、好奇心が旺盛になっていきます。どうしたらいいのか、自分の中で整理がつかない状態でした。

――作中では「神様が出会わせてくれた」といったストーリーの絵本で真実告知をしているというお母さんが登場する場面もありました。神様が登場する真実告知の絵本は多いですか?

久保田:それも一つの形だと思います。小さい子でも受け入れやすいですよね。そもそも小さい子に小難しく説明したところでわからないから、第一段階として、神様や運命というような表現をされる方は多いような気がします。