◆性教育が不十分な社会で、子どもにどう接するべき?

ラビアナさん
――性教育が不十分である中で、大人はどのようなスタンスで教育現場や子育てに携わるべきでしょうか?

一番大切なのは、行動に移すことだと考えます。過去には男の子が女の子のスカートをめくると、その子が好きだからといった形で問題が片付けられてしまう時代もありました。今では問題視されるようになりましたが、それでも教育現場にいる先生方の多くは性教育を受けていないだけでなく、性教育をするための研修を受けていない場合も多いです。

このような現状に対処するためには、政府や自治体が関与することは欠かせません。そのためには、市民が声を上げることが求められます。需要があれば政治も動くと思うので、選挙に行く、PTAで性教育を議題に挙げるなど、身近なことからやっていくのがいいのかなと。

――さまざまな性被害のニュースを見て心を痛めている方もいると思います。最後に、読者にメッセージをもらえますか?

こういった事件で心を痛めている方がいれば、まずはご自身のメンタルのケアをして欲しいです。次に、このような事件を繰り返さないためにも、今後は大人が自分の家族や子どもたちに性教育の重要性をしっかりと伝えていかなければなりません。これから社会がどのような方向に進展するかはわかりませんが、今できることとして周りに仲間を見つけることも有効です。

例えば、学校で子どもや教師による性被害・加害が起きたとき、保護者たちが共感し合える人たちと連帯することで、学校に声が届くかもしれません。今はネットもあるので、同じ価値観や悩みを持った人たちがつながりやすい環境もあります。仲間たちとコミュニケーションを取ることで、何らかの変化が生まれると信じています。

<取材・文/Honoka Yamasaki>

【Honoka Yamasaki】

昼間はライターとしてあらゆる性や嗜好について取材。その傍ら、夜は新宿二丁目で踊るダンサーとして活動。
Instagram :@honoka_yamasaki