そのほか、13年に受賞した千鳥・大悟は「大阪にきて漫才師になって、最終的に欲しいなと思ってた賞」と語り、14年受賞の笑い飯・西田幸治は「目標にしていた賞なのでうれしいです」と言う。

 歴戦の漫才師たちが目指していた場所に、プラス・マイナスは確かに立ったのだ。解散し、岩橋は吉本を退社したが、プラス・マイナスが「上方漫才大賞」を受賞したという事実が消えるわけではないし、その漫才の才能は誰も奪うことはできないはずだ。

 向井でなくとも、もう一度彼らの漫才が見たいという思いは、今後も消えることはないだろう。

(文=新越谷ノリヲ)