◆アクションスターとしてハリウッド映画デビュー
さて、そんなリナがより強烈に日本に紹介される絶好の機会がきた。
2023年9月に公開されるキアヌ・リーブス主演の人気シリーズ第4弾『ジョン・ウィック コンセクエンス』だ。本作でリナは映画初出演にしてハリウッド映画デビュー、そしてエンディングテーマ「Eye For An Eye」を提供している。
『アラビアのロレンス』(1962年)へのオマージュ場面から始まる本作は、キアヌが馬で砂漠を駆け、冒頭からアクロバティックな展開。「主席連合」なる闇の組織を敵に回してしまったジョン・ウィックは苦戦を強いられることになる。
前半の主要舞台となるのが日本。ジョンはインターコンチネンタルホテル大阪の支配人シマヅ・コウジ(真田広之)にかくまわれる。シマヅの娘アキラを演じるのがリナだ。
ホテル全館で繰り広げられる銃撃戦でリナは戦闘スーツに弓矢を持って戦う。まるで武侠映画のヒロインのように猛々しい。
正真正銘の香港映画アクションスター、ドニー・イェン扮する盲目の刺客がきれきれのアクションを披露しながらもリナの存在感を引き立てる。
ドニー、真田に次いでアジア圏のアクションスターにリナが名乗りをあげたのである。これによってリナ自身が名実ともにエンパワーすることになるのだ。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu