◆リナサワヤマ・フォロワーアーティスト

「Chosen Family」でリナが問うメッセージは、あまりにも真摯で力強い。

 2020年リリースの「STFU!」のミュージックビデオでは、アジア人への偏見や女性を軽んじる男性をうちのめす。女性をエンパワーするストレートな表現が刺さる。

 ぼけぼけなんてしてられない。世界には理不尽な差別や偏見がまだまだたくさんある。それを他人事のように感じ、無関心でいていいはずがない。

 目を覚まさなくては。リナの音楽はリスナーを覚醒させる。リナが訴えるメッセージをいかにキャッチし、自分事として捉えられるのか。それはリスナー次第ではあるが、伝えようとしていることは至極真っ当。当たり前のことなのだ。

 リナは、アジア人差別をほのめかした元レーベルメイトを名指しで批判することもじさない。そうした勇気ある行動力に触発されるアーティストは多い。

 例えばリナのルーツであるアジア圏はどうだろう。日本では新鋭ながらYamato Watanabeが、「NEZO」や「F.D.O.」などのリリース曲で社会への問題提起に取り組み、サウンド面、精神面の両面でリナの影響下にあることが明らかだ。

 韓国でも、LE SSERAFIMやTWICEなど、K-POPグループのパワフルなコンセプトに類似性が認められる。

 リナの活動拠点イギリスでもデュア・リパのようなスターが肩を並べながら、リナサワヤマ・フォロワーアーティストたちが世界規模で多発的にメッセージを発信しているのだ。リナを中心にこういう輪が広がれば、世界はもうすこしいい方向へ変わると筆者は思うのだが。