認知症になると、銀行口座が凍結されてしまうのをご存じでしょうか。凍結されると、たとえ配偶者や子どもであっても簡単にお金を引き出すことができません。

認知症になった親の医療費や介護費を親の年金から支払おうとしても、すぐに引き出せるお金がないという事態が起こるので注意が必要です。

■認知症になった親の年金は引き出せる?

認知症になってしまった親の口座は基本的に凍結されてしまいます。

しかし、ある方法を使えば口座からお金を引き出せる可能性があります。以下ではそんな2つの方法を紹介します。

●法定後見制度を利用する

法定後見制度とは、認知症や知的障害などで判断能力が低下した人に対し、家庭裁判所が後見人を選任する制度です。後見人が被後見人となる親の財産を管理することになるため、年金を引き出すことが可能です。

ただし、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれる場合が多いので、必要なときにすぐに年金を引き出すというのは難しいでしょう。

●銀行に相談する

認知症であるという医師の診断書を銀行に提示したうえで、医療費や介護費の請求書など引き出しが正当であると証明する書類などがあれば、親族が年金を引き出せる場合があります。

ただし、金融機関によって対応が異なるため必ずしも引き出せるとは限りません。

■親が認知症になる前にできる対策は?

ここまで紹介したように、親が認知症になったあとでも年金を引き出す方法はいくつか存在します。ですが、必ずしもうまくいくとも限らないので、今すぐお金が必要という場合にはあまり有効ではありません。

いざというときに困ることがないよう、事前に対策をしておくとよいでしょう。ここからは、前もってできる対策を3つ紹介します。