◆人間界最強、強靭な複合体のような俳優
ドラマから映画へ確かにスケールアップしている。ドラマから引き続き、喜多見の口癖「ですね!」も快調だが、一方で、彼のキャラクターは、より人間的な人物像を浮き彫りにしている。
「TOKYO MER」のチーフドクターであり、再婚し、妊娠している妻がいる夫でもある。人命救助か、妻・高輪千晶(仲里依紗)の命か。喜多見は、苦渋の決断を迫られる。
人間として弱い部分をさらけ出しながら、それでもなお、強さへと昇華させようとする演技は、観客の心を揺さぶる。
鈴木亮平、40歳。俳優として脂が乗りきっている頃合い。あのたくましさ、軽妙さ、洗練された色気、鋼のような肉体などなど、あらゆる要素をまぜこぜにする。
まさに人類最強クラス。強靭な複合体のような俳優ではないか。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu