◆出現率が高い俳優・鈴木亮平
鈴木亮平の出演作品は多い。あれ、こんなところにも、あんなところにも、という具合に、映画、ドラマ問わず、さまざまな作風の作品に出演している。うっかりしていると、気づかないこともあるかもしれない。それくらい出現率が高い俳優だ。
この間、吉高由里子主演の『東京タラレバ娘』(日本テレビ系、2017年)を見返していたときにも、思わぬ出現が。同作は、放送当時にリアタイしていたはずなのに、鈴木が出演していたことをすっかり忘れていたのだ(なんてことだ!)。
まぁ、先入観がなかったから、より素直に驚けたのだが、これだけ視聴者に毎回新鮮な感覚を抱かせる鈴木亮平は、驚きにみちた人ではないか。
◆完璧かつ、ワイルドな芸当
吉高扮する恋愛偏差値の低い主人公・鎌田倫子が期待する好人物を鈴木が演じる。ふたりがイタリアンでディナーをともにする場面で、「ここのムール貝すっごく美味しいから」と言って鈴木が手づかみで、ムール貝を食べる姿が、こんなにも素晴らしかったとは。
ジャケットスタイルにメガネ。相手の女性を連れてくるのが、居心地がよく、気取りすぎないイタリアン。なるほど、完璧。それでいて、一品目のムール貝を無邪気にレコメンドして、ワイルドに食べてみせる。
確信犯的な流れをなんともさりげなく、でも隙なく演じてしまう。鈴木にしかできない芸当だ。隙のなさでいうと、『エルピス-希望、あるいは災い-』(関西テレビ・フジテレビ系、2022年、以下、『エルピス』)での大人の色気ムンムンのスーツ姿も、完璧かつ、ワイルドな好例だった。
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