◆母親のリアルを綺麗事で片づけないインパクト
“産んだことを後悔する時もあったけど産んで良かった”という一見矛盾しているセリフではあるが、母親になったことについては簡単に言い表せるものではない。そういった母親のリアルを、綺麗事で片づけなかった。母親になって後悔している人たちの苦悩や葛藤を端的に表し、それでいて母親の愛情もしっかり感じられるセリフとなっており、これまでの映画やドラマでは感じたことのないインパクトがあった。
有紗に障がいがあろうと、ひとり親家庭だろうと、子どもを産んだことを後悔していようと、どれだけざらりとした関係性であっても2人が素敵な親子であることは間違いない。等身大の家族愛が描かれた11話だった。
<文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki