上野樹里が7年ぶりに主演した映画『隣人X―疑惑の彼女―』(熊澤尚人監督)はSFエンタメか、それとも社会派映画か――。はっきり言えば、どちらの魅力も兼ね備えている。
出だしから心がざわつく。公表されている映画のあらすじはこうだ。
“惑星Xで紛争が起き、助けを求めてきた難民を、アメリカ政府は【惑星難民X】として受け入れた。Xは人間の姿に擬態化できる能力があり、人間を決して傷つけない固有性を持っていたからだ。
日本もアメリカに追従するように、受け入れを決定。しかし、誰もが謎の存在Xに不安を感じ、自分の隣にいる人が本当はXではないのか?と不安を抱いていた。”
原作は、第14回小説現代長編新人賞を受賞した新鋭・パリュスあや子の同名小説だ。