ここで花咲の持ち味である「暴走癖」が発動。相馬を連れて融資の引き上げを行った産業中央の四谷支店に乗り込むと、産業中央はガス会社の出入り業者からのタレコミを受けて融資を全額返済させたという。

 産業中央はご丁寧にも、その出入り業者に「東京第一銀行にも言っときな」と進言したそうで、実際その業者は東京第一にもタレコミをしていましたが、それを受けた意識高い系クンの報告を軽く見た支店長が融資を強行したことが発覚しました。

 ドラマ版『花咲』は第4話まで完全な一話完結のいわゆる“水戸黄門”スタイルでしたが、第5話で合併話が持ち上がり、前回の第6話で銀行上層部である昇仙峡玲子(菊地凛子)と花咲の距離を格段に近づけるということをやってきました。

 そうして第5話で大状況としての景色を一変させ、第6話で人物の再配置を行っている。

 その2つの要素が、同じ一話完結の回でもまったく違う後味を残すことになっています。花咲たちが不正を暴いた後、昇仙峡が花咲に言う「勝手なことすんな、銀行に都合の悪いことすんな」という言葉は変わっていないけれど、その花咲が昇仙峡の過去を知り、昇仙峡が亡くなった恋人の面影を花咲の中に感じていることが描かれているので、意味が違ってきている。そのセリフや態度に含まれる要素が豊かになっているということです。