「忘れるってどういうことだかわかってる?」

「話さなきゃいけないのは、さっぱり記憶のない元カノじゃないでしょ」

 このときのまことさんは、相手を傷つけることをまるで恐れていません。公太郎さんのことも、事故を起こした幼なじみのことも、自分がこうやって思いをぶつけることで傷つけるかもしれないなんて、全然考えてない。その姿は、乱暴ですらある。

「傷も歴史」

 第3話で、まことさんをブッ刺した指輪店の客の言葉です。

「忘れたいことがある」って、贅沢なんだよなぁ。めるるがイケメン3人をはべらせるラブコメを見ながらそんなことを考えるなんて、第1話を見始めたときには想像もしてなかった。