ESG投資、具体的にはどんな投資先がある?
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では次の5つを「ESG指数」として選定しています。
- MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数
- MSCI 日本株女性活躍指数
- FTSE Blossom Japan Index
- S&P/JPX カーボン・ エフィシエント指数
- S&P グローバル・カーボン・エフィシエント大中型株指数(除く日本)
出典:年金積立金管理運用独立行政法人「2019年度ESG活動報告」
こうした指数に含まれる銘柄を見れば、ESGに積極的に取り組んでいるとされている会社がわかります。例えば、「MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」には2020年06月時点で次のような銘柄が含まれています。
- トヨタ自動車
- ソニー
- キーエンス
- KDDI
- 花王
- 任天堂
- >信越化学工業
- リクルートホールディングス など
出典:MSCIホームページ
ちなみにGPIFが採用している5つの指数すべてが、直近3年間の運用成果において市場平均を上回っています。これについてGPIFでは、ESG投資は長期にわたるほど有効と考えているため、3年という短期間の成果だけで判断せず、さらに長期間の検証が必要というスタンスを取っています。
また、SDGs(エス・ディー・ジーズ)債のように、ESG投資の投資先には、企業の株式だけでなく債券もあります。SDGs債とは、調達した資金の使い道を環境や社会をよくする活動に限った債券のことで、環境に特化した「グリーンボンド」のほか「ソーシャルボンド」「サステナビリティボンド」などがあります。企業(社債)や自治体(地方債)などが発行しています。
ESG企業をまとめた投資信託があることに触れる
最近では、ESGに配慮した個人向けの投資商品も少しずつふえてきています。ESGの項目にある環境、医療、水資源などのテーマにフォーカスした商品や、前出のGPIFの指数である「MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」をベンチマークとし、採用銘柄を主要投資対象とする商品など、種類もさまざまです。興味がある方は、調べてみてはいかがでしょうか。
継続企業は「環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)」を備えている
これまで長い期間にわたって市場で生き残ってきた優良企業は、ESGが盛んに言われるようになるずっと前から取り組んできています。江戸時代に活躍した近江商人に伝わる心得として「三方よし」(売り手も買い手も社会も、3者ともが満足できる商売がよい商売である)という言葉がありますが、これもESGの考え方に近いものと言えるでしょう。
長期的に企業が存続するために欠かせないESG。この点に積極的に取り組んでいるかどうかは、自身の投資先の選定のみならず、就職先や取引先として企業を見る際にも今後重要になってくるかもしれません。引き続き要チェックです。
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