◆好きだけれどままならない
周辺が騒がしい中でも、どうしても互いのことを思い出してしまうまひろと道長。肌を重ねた一夜のことがふと蘇る。より想いが募るようになってしまったのかもしれない。その表情がハッとする艶がある。
形としては、まひろが道長を振ったことになるが、だからと言ってまひろが道長を嫌いになったわけではない。むしろ、好きでたまらない。
道長は従者に言伝をし、いつもの場所で再びまひろと会う。抱きすくめ、唇を重ね、「妻になってくれ」と言う道長。
まひろは「北の方にしてくれるの?」と聞き返す。
道長は黙り込んだあとに返事をする。
「北の方は無理だ」「されど、俺の心の中ではお前が一番だ」
いや、わかる。言いたいことはとてもわかる。状況的にまひろを北の方にするのは難しい。そして他に妻がいても、まひろが一番であるという道長の気持ちもわかる。
でもなんだかな……と思ってしまうのは現代人だからだろうか。