◆ヤバい遺伝子は受け継がれるのか

土曜ナイトドラマ『泥濘の食卓』2話より ©テレビ朝日
 恐怖を具体化しているのは、彼らの不倫関係だけではない。もうひとり、恐ろしくこじらせた人物がすでに登場している。「スーパーすずらん」の従業員専用の通用口にたびたび現れて、まるで捨て猫みたいな表情を浮かべる、那須川ハルキ(櫻井海音)だ。

 ハルキは深愛に優しく声を掛けられ、すぐに好意を抱く。彼女が自販機でミルクココアを買ってくれると、それを毎日愛おしそうに飲むようになる。第2話では高校生活に問題を抱えるハルキにスポットがあてられる。

 ハルキの後ろ姿が映り、手持ちカメラの揺れが彼の心の不安定さを伝える。彼はひたすら繰り返す。「会いたい。深愛と一緒にいたい」。家に帰るとそこはゴミ屋敷寸前。弁当をミルクココアと食べながら、「会いたい」と再び繰り返す。

 ハルキは夏生の息子なのだが、彼の存在がここからどうドラマに絡んでくるのか。ああ、ハルキもまたヤバい遺伝子を受け継いでいるということなのか!?