太平洋の絶景と変化に富んだリアス式海岸が続く、岩手県の三陸海岸。製鉄の町「釜石」や景勝地・浄土ヶ浜(じょうどがはま)のある宮古市内の観光はもちろん、三陸の海の幸も堪能したい・・・。そんなあなたでも1泊2日で十分楽しめる、筆者が考案した三陸海岸の二大観光地・釜石と宮古を回る観光モデルコースをご紹介します。

【1日目】鉄と魚の町・釜石を散策しよう!

10:50 釜石駅到着

写真:サトホーク

まずは、三陸海岸の中心都市のひとつ 「釜石」 を目指しましょう。釜石は、日本製鉄・釜石製鉄所が操業しているほか、近くに漁港があることから 「鉄と魚の町」 として栄えています。

写真:サトホーク

JR釜石線と三陸鉄道リアス線が乗り入れており、釜石線の愛称が 「銀河ドリームライン」 と名付けられていることから、駅舎には宮沢賢治の代表作 『銀河鉄道の夜』 にちなんで、SLのモニュメントが描かれています。

釜石駅までは、直通の快速電車 「はまゆり」 を利用するのがおすすめ!盛岡駅からは、約2時間10分、花巻駅からは約1時間40分でアクセスすることができ、1日3往復運行しています。朝と昼、夕方のみ運転しているので、乗り遅れないように事前に出発時間を確認しておきましょう。

11:00 バスで釜石大観音へ

写真:サトホーク

釜石駅に着いたら、コインロッカーまたは駅の観光案内所で荷物を預けた後、釜石を代表する観光スポットのひとつ 「釜石大観音(かまいしだいかんのん)」 を目指しましょう。コインロッカーは、三陸鉄道の釜石駅または、駅から歩いてすぐのところにある商業施設 「シープラザ釜石」 の中にあります。

通常ならレンタカーに乗って、約5分で到着しますが、車の運転免許を持っていない方でもバスで行くことができます。釜石駅から「上平田(かみひらた)」行きのバスで約15分、最寄りの 「釜石大観音入口」 バス停で下車します。

写真:サトホーク

バス停は高台にある国道沿いに位置しています。近くにある階段を下りてから少し歩くと、釜石大観音の 仲見世通り の入口に到着。ここから坂道を歩くと、大観音の山門が見えてきます。

11:30 「釜石大観音」で三陸海岸の眺望を楽しもう

写真:サトホーク

仲見世通りから3分ほど歩くと、「釜石大観音」の 山門 に到着。銅板葺きの門で、両側には仏教を守る「金剛像」が安置されています。

写真:サトホーク

大観音は坂道を上がったところにありますが、行きのみ エスカレーター を利用することが可能。エスカレーターの入口付近には、2011年3月11日に発生した東日本大震災の大津波に耐えた 「奇跡の石」 が展示されているので、エスカレーターに乗る前にチェックしてみましょう。

写真:サトホーク

エスカレーターに乗って緩やかな坂道を上がると、 展望台 に到着。展望台にある朱色の浄土橋からは、釜石港をはじめとした三陸海岸を眺めることができ、美しい風景を楽しむことができます。

写真:サトホーク

また展望台から少し歩いたところには、 「恋人の聖地」 に選定されたモニュメントがあります。高さ2.7メートルの大きなハートに、港町・釜石をイメージしたかもめがあしらわれており、カップルを中心に恋愛成就のパワースポットとして人気を集めています。

写真:サトホーク

展望台を散策した後は、いよいよ 「大観音」 を参拝しましょう。半島の小高い丘に立っており、高さは約48.5メートル。観音内を見学することができ、2階にある 拝殿 には、魚を持った仏様 「魚籃観音(ぎょらんかんのん)」 や聖観音(せいかんのん)、十一面観音(じゅういちめんかんのん)らが祀られており、良縁成就や海上安全などにご利益があります。

写真:サトホーク

また大観音内に入ることもでき、3階には白衣観音(びゃくえかんのん)や、延命観音(えんめいかんのん)といった 三十三観音 が安置されたフロアがあります。また2階~11階にかけては、恵比寿(えびす)や布袋(ほてい)などの木造の 七福神巡り も楽しむことができます。七福神巡りを行うことで、7つの災難が除かれ、7つの幸福が訪れるといわれています。

写真:サトホーク

七福神巡りを楽しんだ後は、11階と12階にある 「魚籃展望台(ぎょらんてんぼうだい)」 へ。目の前に釜石湾が広がり、陸中海岸国立公園を代表するリアス海岸や釜石港の風景を眺めることができます。

13:00 釜石駅直結のホテル内のレストランでランチを食べよう!

写真:サトホーク

大観音を満喫した後は、再びバスに乗って釜石駅へ。釜石駅に着いたら、ランチを食べましょう!筆者が今回おすすめするお店は、釜石駅から歩いてすぐのところにある 「ホテルフォルクローロ三陸釜石」 の1階にあるカフェレストラン 「カマイシテラス」 。三陸の海の幸を使ったパスタや松花堂弁当を味わえます。

写真:サトホーク

店内は、ホテルのラウンジでも取り入れている“Port of the Traveler(旅人の港)”のコンセプトと同様、木目調の温かみのあるインテリアに三陸の海をイメージした青色の壁が特徴的。まるでヨーロッパの港町にあるカフェにいるような、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめます。

写真:サトホーク

おすすめの一品は、 「三陸産イカ・ホタテ・イクラのパスタ」 。三陸海岸の周辺でとれたイカやホタテ、イクラをトッピングしたパスタで、魚介の味わいを引き立たせるような風味を堪能できます。この他にも、魚介を使ったパスタやカレー、ハンバーグなどの料理も提供しています。

14:00 駅チカの商業施設「シープラザ釜石」で釜石みやげを買おう!

写真:サトホーク

ランチを味わった後は、釜石駅から歩いてすぐのところにある商業施設 「シープラザ釜石」 へ立ち寄りましょう!釜石の観光情報を発信する施設から飲食店、お土産店が入っているほか、2019年に開催されたラグビーワールドカップで釜石が会場地のひとつに選ばれたことから、 「ラグビーカフェ」 も併設しています。

写真:サトホーク

釜石は「鉄と魚のまち」だけでなく、 ラグビーのまち としても有名。現在もクラブチーム 「釜石シーウェイブス」 が活躍しており、それにちなんだオリジナルのお菓子 「釜石ラグビーパイ」 を販売しています。岩手県産の塩と卵を使っており、ラグビーボールをイメージしたお菓子で、かぼちゃと粒あん、抹茶の3種類の味を楽しめます。

写真:サトホーク

また三陸産の海の幸を使った珍味も取り扱っており、 「ピリ辛まぐろ」「鯨尾肉のつくだ煮」 (1個・各税込378円~)のほか、釜石産の本醸造醤油を使った 「金の釜石らーめん」 (1個・税込270円)や、釜石産のしうり貝を使った 「銀の三陸磯らーめん」 (1個・税込270円)なども提供。家で地元の食材を使ったグルメを味わいたい方におすすめです。