◆一筋縄ではいかない登場人物たち
「つきつめて考えすぎると幸せになれんぞ」という言葉にも、宣孝にかわいいと思われる必要はないと返す。
これだけでも、なかなか面倒な性格をしているということが分かる。
父との関係が悪いのは母の死が原因している。母を殺した相手のことをまひろは6年間許していないのだろう。宣孝に右大臣・藤原兼家(段田安則)の二の君の名は「ミチカネ」ではないか、と尋ねる。宣孝はとぼけ、知ったところでどうしようというのか? と聞き返すと、まひろは分からないと下を向く。
「分からぬなら黙っておれ。これは儂の心からの忠告じゃ」どこかとぼけたような、軽さを感じる宣孝だが、忠告を口にする場面では声のトーンも空気も変わる。こちらはこちらで食えない人だということがよく分かる。
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