◆気になる道長
もちろん、道長だってまひろの様子が気になる。
峠を越えたことはわかっているだろうが、本当に問題ないのか、元気にしているのか。
そんなふうに気もそぞろなりながらも、仕事はする道長。悲田院の惨状を見た道長は、疫病患者のために「救い小屋」を建てることを決意。倫子(黒木華)も自分の財を使ってほしい、と言い、道長は表情を輝かせる。本来なら関白の道隆(井浦新)が指揮をとるべき案件なのだが、彼の頭に民のことはない。
倫子からの申し出に笑顔を見せる道長。そんな道長に倫子は問いかける。悲田院に行った日の夜、どこに泊まっていたのかと。道長は戸惑いの表情を見せるが、内裏は仕事をしていたとごまかす。まあ、言えるはずはない。その言葉を聞いたときの倫子の顔をちゃんと見ておいたほうがよかったのではないか、道長。
倫子にそんなふうにごまかしつつ、道長は従者の百舌彦(本多力)にまひろの様子を見に行くように命ずる。だから、文を出そう、道長! と思うが、文を出したとて、まひろを妾にできるわけでもないので……と思うとこれがいいのだ、きっと。
ふたりの関係がうまくいってほしくて、無理だと分かっていても、つい成就を願ってしまう。
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