◆「ハラスメント」「時代」で思考停止していないか

 田代は「こういう時代だから褒める時も言葉選ばないとね」と諭すが、ハラスメントをしていた自覚がなかった睦実は動揺を見せる。

 そんな中、隣の席にいた市郎が突如「どういう時代?」と会話に割って入ると、田代は「多様性の時代です」とお手本通りの回答。しかし、市郎は「『頑張れ』って言われて会社休んじゃう部下が同情されてさ、『頑張れ』って言った彼が責められるって何か間違ってないかい?」「だったら彼は何て言えば良かったの?」と止まらない。

 これに田代は「何も言わなきゃ良かったんです」「ミスしても決して責めない。寄り添って一緒に原因を考えてあげれば彼女の心は折れなかった」と“ベストアンサー”を口にするが、市郎は「気持ち悪」と一蹴。「『頑張れ』って言われたくらいでくじけちゃうようじゃ、どっちみち続かねえよ」と続けると、田代は「そういう発言が今一番まずいの」と声を荒げる。

 しかし、市郎から「『そういう発言が今一番まずいの』ってヒステリックに叫んで話終わらせるのはいいの? 何ハラだかにはなんないの?」と言い返されると、「ハラスメント」や「時代」という言葉を盾に言葉を並べてきた田代達は、逆にその盾を向けられためにそれ以上は反論できずに口を紡ぐしかなかった。