◆「私はあそこまでできなかった」42歳女性の“夫への復讐”

 信じ切っていた夫に裏切られた陽子は、ずっと苦しみ続けた。一時的な浮気だと思っていたら2年もつきあっていたこと、理央に子どもができたこと。それでも夫の母親が亡くなったとき、昂太に寄り添ってやり直そうとしたのに、彼は理央と別れておらず、再び奈落の底に突き落とされた。

 だからこそ、徹底的に痛めつけたのだ、夫の心を。

「見事な復讐劇にすっきりしました。私はあそこまでできなかったから」

悩む女性
写真はイメージです(以下同じ)
 そう言って苦笑するのはユキさん(仮名・42歳)だ。結婚10年を迎えた昨年、夫の不倫が原因で離婚した。今は8歳になる長女と、ユキさんの実家で暮らしている。

「夫の不倫に気づいてから、揉めに揉めました。最初は『ただの会社の後輩だよ』と言っていたけど、実際は残業と偽って彼女の部屋に入りびたり、ときおり外泊して。怪しいと思っていると、週末は家で娘と遊んでいる。1泊で家族旅行をしようと誘ってきたり。落ち着いたかなと思うと、また帰宅が遅くなる。その繰り返しが2年続き、とうとう相手の女性がうちに乗り込んできたんです」

◆追い詰められた夫の「あまりに情けない言葉」

「女ふたりで『もういいかげん、どっちかを選びなさいよ』と詰め寄ったら、夫は泣きだして『ふたりとも好きなんだ、見放さないで』って。私はそれでげんなりしたんですが、相手の女性は同じように泣いて『うん、わかったから』と。バカップルだわと思いましたよ(笑)。

 私はその合間にこっそり夫の両親を呼んだんです。夫と女が泣いているいいタイミングで両親が到着。義父は夫を殴りつけ、義母は女を追い出しました。私、義両親とは仲がよかったんです。今日は夫の顔を見たくないと言ったら、義両親が連れ帰ってくれました」

 そしてそれきり、ユキさんは夫が帰ってくることを拒絶した。夫はヤケになったのか、実家に戻らず、相手の女性の部屋にいつづけたようだ。