フュリオサの如く、数奇な人生の軌跡(ロード)がそっくり!?な二人
シャーリーズは、自身でも語っているように、日常的な父親の暴力に耐えかね母親が銃を発砲した壮絶な過去を持つ。母親は正当防衛が認められたが、引っ越しを余儀なくされ、生まれ育った南アフリカからイタリアに移住。その後ハリウッドへ渡り、モデル活動を経て演技の道に進む。ブロンドヘアと抜群のスタイルで、俳優業では“セクシーな金髪美女”というイメージが固まり、似たような配役が多かったが、『モンスター』(2003)で13kgの増量と特殊メイクで実在の連続殺人犯を演じ、これまでのビジュアルイメージから脱却。演技力も認められ南アフリカ人初のアカデミー賞を受賞し、現在も演技派女優として絶大な支持を獲得している。
一方のアニャはアルゼンチンで生まれ育ち、後にロンドンに移住するも、当時は英語が話せないことや、個性的なルックスが原因でいじめにあっていた。 しかし16歳でスカウトされモデルデビューし、次第に俳優業にも挑戦するように。『ウィッチ』(2015)や『スプリット』(2016)など立て続けにスリラー映画に出演したことで、“スクリーム・クイーン”として評価され、イメージが固まりつつあった。しかしドラマ『クイーンズ・ギャンビット』(2020年)で演じた孤高のチェスプレイヤーの姿は世界中で評価され、ゴールデン・グローブ賞を受賞。それまでのイメージを壊し、演技派女優として世間に認知された。
辛かった時期を乗り越え、華やかなルックスを活かしモデルとして活躍した後、人気演技派女優へ─。後にフュリオサを演じることとなる二人の女優たちに、運命めいたものを感じずにはいられない! シャーリーズとアニャ、それぞれと仕事をした「マッドマックスサーガ」の創始者ジョージ・ミラー監督も、二人の共通点について言及。
彼らの役者としての仕事への取り組み方はとても似ていた。決意が強くて勤勉だ。それは、俳優としての生い立ち全体から来るものだと思う。例えば、二人は幼い頃からバレエが得意だった。バレエダンサーは非常に高い運動神経と神経的スキルを持っていて、それが演技に非常によく活きる。そして撮影中、とても興味深いことが起きた。撮影しているときに俳優が消えていって、彼女らがキャラクターとして浮かび上がってくるんだ。
メガホンを取ったミラー監督自ら類似点を語るほど、どこか“似ている”シャーリーズとアニャ。さらには二人とも見事にフュリオサを演じ切り、俳優ではなく一人のキャラクターとして完成されるほど、両者の演技は完璧だったという。シャーリーズが作り上げた強い女性の象徴であるフュリオサというキャラクターを、見事に継承したアニャ。何かと共通点のある二人が、それぞれに魅力的な役柄として完成させた「フュリオサ」。最新作『マッドマックス:フュリオサ』で観られる強く気高い若き日のフュリオサを、ぜひ目撃してほしい!!
映画『マッドマックス:フュリオサ』は5月31日(金)全国ロードショー!