◆まひろは何も悪くない……

疫病の暗い影がひたひたと近づいている中、まひろ(吉高由里子)の心に影が落ちる。さわ(野村麻純)に突き放されたから。いや、こういう場合、突き放されたというか、絶交というやつなのか、なんなんだろう、仲違いとも少し違うような。

さわ曰く、私は家でいらない子だし、石山寺でもどうでもいい女だった、と。「蜻蛉日記」のときの話をしていたときも自分だけのけ者だった、と。

まひろが藤原寧子(財前直見)と「蜻蛉日記」で盛り上がっていたからなのか。それとも、「蜻蛉日記」に描かれた心情をまひろが分かる、と言ったからなのか(そんなこと言われても……という話だが)。

考えてみれば、まひろとさわはタイプが違う。おまけにさわは、まひろの父・為時(岸谷五朗)が世話をしていた女性の娘なわけで。そう考えると仲が良いのは不思議というか。

ケンカ別れとなってしまったさわに文を出し続けるまひろ。まひろは悪くないのに、悪いのは道綱(上地雄輔)なのに。

それだけ、まひろにとってさわは大事な存在ということなのだろう。