■いつになく、すごく悪いおじさんでした

 今回の悪いおじさんは、いつになくすごく悪いことをしていました。自らの借金のカタに浄水ベンチャーの若い経営者を差し出して、のうのうと出世をしている。策略や謀略だけでなく、ストレートに暴力によって苦しめられている経営者がいる。

 結果、おじさんは飛ばされて、反社のやつは刺されて一件落着となったわけですが、なんだかあんまり爽快とか痛快って感じではありませんでした。

 例によって銀行側は行員の不正を隠蔽するわけですが、ちょっとこれはさすがにひどくない? という印象だったんです。さすがに反省して総括せえよと。

 そういう印象を与えたのは、たぶん今田美桜のキャラクターだと思うんです。このドラマの前提として「銀行員は清濁併せ呑むもんだ」みたいな考え方があって、花咲舞はそれに反発する立場なわけですが、今田の花咲は杏の花咲より清濁併せ呑めなそうに見える。子どもじみてるし、人物としての幅を感じない。おじさんの悪事が悪質すぎて、今回はそういう新旧花咲の違いが感じられた回でした。

 杏の花咲もよかったけど、より共感して応援したいと思うのは今回のほうなんですよね。ドラマなんだし、これくらい極端なほうが愛されると思う。『踊る大捜査線』(フジテレビ系)の青島みたいに見えてくるんですよ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)