株式の手数料は取引をするたびにかかります。頻繁に取引する人の場合、「手数料計算が面倒」と感じる人もいるかもしれません。そのような人におすすめなのが、取引ごとではなく月の約定代金によって手数料が決定するタイプの証券会社です。今回は その中の一つSBIネオモバイル証券にスポットをあて、手数料体系や利用時の注意点、手数料の徴収方法について解説していきます。

SBIネオモバイル証券の手数料

SBIネオモバイル証券の取引手数料はどのようになっているのでしょうか。

手数料ではなく「サービス利用料」

他の証券会社の場合、約定ごともしくは月額定額で手数料が決められているところが多い傾向です。しかしSBIネオモバイル証券では、手数料ではなく「サービス利用料」として請求されます。サービス利用料は、月間の国内株式約定代金合計額によって決定するのが特徴です。

サービス利用料を紹介

SBIネオモバイル証券のサービス利用料は、以下の通りです。

月間の国内株式約定代金合計額 サービス利用料(月額)※税込み
0~50万円 220円
300万円 1,100円
500万円 3,300円
1,000万円 5,500円

月間の約定代金合計額によってサービス利用料金も変わってきます。またまったく取引をしなかった場合でもサービス利用料は発生するため押さえておきましょう。

SBIネオモバイル証券と他社の手数料を比較

SBIネオモバイル証券のサービス利用料と他の証券会社の手数料を比較してみましょう。ここでは、SBIネオモバイル証券を含め2000年以降に設立されたネット証券会社3社を紹介します。

証券会社名 1回あたりの約定金額・
もしくは1日・
月間の約定代金合計額
手数料・
サービス利用料(税込み)
SBIネオモバイル証券 月間約定代金合計額:
0~50万円
220円
DMM.com証券 1約定ごとの約定金額:
5万円以下
55円
GMOクリック証券 1約定ごとの約定金額:
10万円以下
96円
1日の約定代金合計額:
20万円以下
234円

※国内現物株式の手数料で比較

では、それぞれの証券会社の特徴を見ていきましょう。

SBIネオモバイル証券の特徴

SBIネオモバイル証券では、月に何度取引を繰り返しても月間のサービス利用料は定額です。ただし月間約定代金合計額によってサービス利用料が変わってくる点は忘れないでください。特に高額の取引を何度も繰り返す人は要注意です。またSBIネオモバイルのサービス利用料(税抜き)の1%分はTポイントとして付与されます。

このTポイントは「期間固定Tポイント」と呼ばれるもので指定されたTポイント提携先でのみ利用可能です。

DMM.com証券の特徴

DMM.com証券の手数料は1約定ごとにかかる仕組みです。約定代金5万円以下の手数料は55円ですが10万円以下の場合は88円、20万円以下の場合は97円、50万円以下の場合は198円と約定代金が上がるごとに手数料も上がります。取引前にどの程度の手数料がかかるか確認しておきましょう。取引を頻繁に繰り返す人は、たくさん手数料を支払う可能性がある点も注意してください。

ちなみにDMM.com証券では国内株式の取引手数料の1%を「DMM 株ポイント」として貯めることができます。貯まったポイントは1ポイント=1円となり1,000ポイント以上になると現金へ交換して出金したりDMM.com証券での株式取引に利用したりすることが可能です。

>>DMM.com証券の詳細はこちら(公式サイト)

GMOクリック証券の特徴

GMOクリック証券では、約定ごとに手数料を支払う「1約定ごとプラン」、1日の約定代金合計額で手数料が決定する「1日定額プラン」の2通りから選ぶことができます。各プランに向いているのは次のような人です。

  • 1約定ごとプラン:取引回数が少ない人、1回あたりの取引金額が非常に少ない人
    ・1日定額プラン:1日に何度も取引を繰り返す人、取引金額が多い人

1日定額プランを選択している場合でも取引がない日は手数料がかかりません。なお手数料コースの変更はサイト上から随時受け付けており15時までに手続きを行うと翌営業日から新しい手数料プランが適用となります。(未発注の場合は、変更後即時に新手数料プランが適用されます。)

>>GMOクリック証券の口座開設はこちら

SBIネオモバイル証券の手数料の注意点

SBIネオモバイル証券の手数料(サービス利用料)の注意点・デメリットを詳しくチェックしておきましょう。

取引をしない月がある場合は要注意

SBIネオモバイル証券では、まったく取引を行わない月でも220円(税込み)のサービス利用料が徴収されます。そのため「絶対に取引をしない」と決めた月がある場合は、前月までにサービスの一時停止手続きを行ってください。一時停止手続きは、公式サイト上のマイページから行うことができます。ただし一時停止手続きを行っても株式取引注文が制限されるわけではありません。

一時停止中でも株式注文は行えるため、もし注文が約定したら自動的に一時停止が解除されサービス利用料の徴収が開始されます。

月間の約定金額によって手数料が変わるため、大きな取引には向かない

SBIネオモバイル証券のサービス利用料は、月間の約定代金合計額によって決定します。そのため頻繁に取引を繰り返したり高額の取引を行ったりする人には向いていません。特に1単元あたりの取引額が大きくなる銘柄を売買したい人は気を付けてください。なぜなら取引回数が少なくても1度の取引でサービス利用料が高額になる可能性もあるからです。

月の後半に口座開設する場合は要注意

サービス利用料は、日割り計算されません。そのため「25日」「30日」など月の後半に口座を開設してその月はまったく利用しなかったとしても当該月のサービス利用料220円(税込み)はかかります。「もったいない」と感じるのであれば月の前半までに口座開設を済ませたほうがよいでしょう。

SBIネオモバイル証券の手数料の徴収方法

(写真=PIXTA)

SBIネオモバイル証券のサービス利用料の徴収方法と利用料金額の決まり方について確認してみましょう。

クレカ決済になる

サービス利用料はクレカ決済です。その際のクレカの名義は、SBIネオモバイル証券総合取引口座と同一名義に限られます。家族のクレカからの支払いはできないため気を付けてください。また、SBIネオモバイル証券ではTポイントを利用しての株式買付もできますが、サービス利用料の支払いにはTポイントは使えません。この点にも注意しましょう。

月間の株式約定代金合計額の計算方法

サービス利用料決定の根拠となる月間の株式約定代金合計額の計算方法は、月初第1営業日~同月内最終営業日の間に約定したものを合計した金額です。注文ベースで計算されるのではない点を覚えておきましょう。決定したサービス利用料金は、翌月初旬に徴収されます。

サービス利用料金が分かりやすいSBIネオモバイル証券

SBIネオモバイル証券のサービス利用料金は、月50万円までの取引であれば何度取引を繰り返しても220円と定額です。そのため「取引ごとに手数料の計算をしたくない」という人にはぴったりといえるでしょう。ただし「まったく取引をしない月でも利用料金がかかる」「取引額が大きくなると月のサービス利用料金が高くなってしまう」といった点には注意が必要です。

また、株式の買付で使えるTポイントもサービス利用料金支払いには使えません。クレカからの支払いとなるため、勘違いしないようしっかりとチェックしておきましょう。

田尻宏子
複数の金融機関での勤務経験や証券外務員第一種、ファイナンシャル・プランニング技能士2級の資格を活かし、金融関連専門のライターとして活動中。 生損保・不動産・ローンの情報を中心に「誰でも分かりやすい記事をお届けする」をモットーに執筆。
複数の金融機関での勤務経験や証券外務員第一種、ファイナンシャル・プランニング技能士2級の資格を活かし、金融関連専門のライターとして活動中。 生損保・不動産・ローンの情報を中心に「誰でも分かりやすい記事をお届けする」をモットーに執筆。

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