ところが、若い世代を中心に口コミで人気が広がり、何度もリピート鑑賞するファンも続出。Yahoo!検索の映画ユーザーレビューで平均点が公開時の「★4」から現在は「★4.3」になるなど評価が高まり、水上・福原の双方にとって代表作となりそうな勢いになっている。

 水上といえば、放送中のNHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』でヒロイン・福来スズ子(趣里)の最愛の人・村山愛助を好演中。中高年の視聴者は今作で初めて水上を認識したという人も多く、ファン層が急拡大している。

 さらに、2月には女性に刺されるホスト役で出演する映画『熱のあとに』の公開を控え、3月放送のテレビ朝日系スペシャルドラマ『黄金の刻(とき)』では主演の西島秀俊が扮する「東洋の時計王」こと服部金太郎の青年期を演じることが決まっている。

 まさにオファーが絶えない売れっ子の若手俳優だが、業界内ではこのような状況になるとは思っていなかったという人が少なくない。

 デビュー当時から「岡田健史」の芸名で活動していた水上は、堀北真希らを発掘したことで知られる女優系の有力芸能事務所「スウィートパワー」の男性部門に所属し、2018年のドラマ『中学聖日記』(TBSテレビ系)で頭角を現した。しかし、2021年から労働環境や給与面などの問題をめぐって事務所と裁判沙汰に。結果、2023年3月末の契約満了までそのまま活動し、満了後は契約を更新しないことで和解となったが、契約は2022年8月に前倒しで終了となった。