◆最大のライバルが刻むステップ

 次世代の新人営業マンの勤務態度に腹を立てた永瀬が、「はい、怒った」と掴みかかろうとする。炎のリアクション同様、山下は、クールなのにお笑い温度が高い演技に終始する。

 彼の演技スタイルとしては間違いなく真骨頂だけれど、ここまで安定しているともはや通常運転に見えてくる。俳優であると同時にアーティストでもある山下特有の一定のテンポ感とも言える。

 さて、ここにちょっとした不協和音が導入される。テンポはすこし早いが、リズムの刻み方は恐ろしく正確。永瀬に嘘営業スタイルを教えた元師匠にして最大のライバル・神木涼真(ディーン・フジオカ)が刻むステップの華麗さたるや。