◆抗がん剤への抵抗感で「やる意味あるんですか?」と質問

 先生には「手術の後には、おそらく抗がん剤治療を勧めることになるだろう」とも言われました。

 乳がんにはいくつかタイプがあるそうで、そのタイプによって術後の治療法が変わってくるそうです。乳がんというと「ホルモン療法」のイメージを持つ人もいるかと思いますが、私のがんはホルモン治療がきかないタイプ。手術後にできる治療としては、抗がん剤と放射線しかないとのことでした。

 私にとって抗がん剤のイメージは「げーげー吐いて、ハゲるやつ」。手術はどうせ全身麻酔だし、寝てる間に終わるからまだいい。けど、じわじわハゲて吐きながら長いこと苦しむ抗がん剤はめちゃくちゃ怖い……。

 できるだけやりたくなかったので、抗がん剤の必要性について先生に「本当にやる意味あるんですか?」と先生に突っ込んでみました。

 が、私のがんはホルモン療法が効かないこと、リンパ節への転移が2か所あったため、リンパ節から全身にがん細胞が回ってしまっている可能性があり、手術でがんを取り除くだけでは不安であることから、抗がん剤治療を「強くお勧めします」とのことでした。

 抗がん剤と聞いて思い出すのは、亡くなった義母の姿。末期のがんが見つかり、手術ができないので抗がん剤治療をしましたが、お見舞いに行くたびに毛がなくなり、抗がん剤で食欲もなくなり、どんどん痩せていく姿を見るのはあまりにツラい経験でした

 これなら何も知らないまま日常生活を過ごし、ある日突然倒れてそのまま亡くなったほうが幸せなんじゃないか、とも思いました。

 なのでいざ私が抗がん剤を打つとなると、あの義母の姿が浮かんでしまい、抵抗感も強かったのです。