2016年のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。

◆運命の執刀医、S先生との出会いにビビビ

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※イメージです(以下、同じ)
 治療する病院を決めて、いざ出陣! と病院を訪れた初日に、なぜか先生の地雷を踏んで怒鳴られてしまった私。けれど担当医が誠実で優しそうな別の先生に変わることを知り、希望をもって引き続きこの病院にお世話になることに決めました。

 手術のための精密検査を経て、いざわたしのがんの全貌が分かる日。やっぱりがんじゃなかったりして……と今さらほんの少し期待しつつ診察室に入ると、優しそうな男の先生がわたしを迎えてくれました。

「検査大変だったでしょう。おつかれさまでした」

 第一声にそんな優しい言葉をかけてくれて、ああ、この先生なら私の身体を預けられるかもと、ビビビとくる感覚がありました。

 最初の先生にに怒鳴られてしまったので、そんな気遣いをしてくれたS先生に気持ちがゆるんで「ここはがん専門病院なので、がん患者なんて見慣れているかもしれませんが、私にとっては初めてのことで、とっても不安なんです」と本音を伝えることができました。

 すると先生は、「そりゃあ自分ががんになったら驚くよね。なにか不安なことがあれば、僕でもいいし、看護師でもいいし、なんでも相談してくださいね」と……。

 乳がん発覚からここまで、張り詰めていた気持ちがグンとラクになり、思わず笑顔までこぼれたのは自分でも驚きです。そして先生は、精密検査の結果をじっくり分かりやすく説明してくれました。