性加害問題をめぐっては、多くのメディアがジャニーズへの忖度から取材に動かず、長年黙殺してきた疑いが指摘されており、つい先日も国際連合人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が発表したステートメントの中で、ジャニーズ性加害問題について「日本のメディア企業は数十年にもわたり、この不祥事のもみ消しに加担したと伝えられている」と指摘したばかり。にもかかわらず、メディア側は相変わらず「不祥事のもみ消しに加担」する側となっているようだ。

 ジャニーズ事務所側からの削除要請があったとの見方もあるが、その理由としては、なにわ男子がジャニーズ事務所の若手のエースの一角を担う存在であることや、美 少年がジャニーズJr.内で人気のグループであることも影響しているだろうが、それとは別に、今月26日~27日に放送される日本テレビ系の大型チャリティー特番『24時間テレビ』との関連を指摘する声がある。

 今年の『24時間テレビ』では、なにわ男子が全体のメインパーソナリティーを務め、美 少年は中京テレビが展開する東海3県(愛知・岐阜・三重)のメインパーソナリティーを担当する。折しもジャニーズ事務所は、8月末に予定されている「外部専門家による再発防止特別チーム」からの提言を受けて、9月中にも性加害問題に関する記者会見を開く見込みだとみられている。視聴者の“感動”を呼ぶ『24時間テレビ』で少しでもジャニーズへの世間のイメージを回復させ、その流れで記者会見へつなげたいという狙いがあり、まずは何としても番組を成功させたいという思惑から、不自然な「記事削除」が連発されたのではとみる向きもあるようだ。

 収録済みのものとはいえ、那須がゲスト出演した17日夜放送の『VS魂グラデーション』(フジテレビ系)も普通にオンエア。ジャニーズ事務所としては“なかったこと”としてこのままスルーすることになる可能性も高い。しかしそれではイメージが回復するどころか、メディア支配や忖度文化などの「疑念」がより深まりそうだが、はたして……。