――一度はプロボクサーになる夢を諦めた阿部選手。またボクシングを始めるようになったのは、なぜでしょう?

阿部 入社1年目に同期と一緒に、「健康のためにボクシングのジムでも通うか」という話になり、職場から電車で10分程度のところにある、このジム(KG大和)にフィットネス会員として入ったんですよ。で、週に2日程度、仕事終わりに汗を流していたら、ある日、僕の動きを見ていた(片渕剛太)会長から、「プロを目指してみたら?」と言われました。

――そのとき、どのような気持ちになりましたか?

阿部 福島にいた頃は周囲にプロボクサーがいなかったから、プロのことは雲の上の存在として見上げていたんですよ。でも就職後にジムでプロの方たちを間近で見ているうちに、「あ、これ、頑張れば俺でも行けるんじゃねえか」という気持ちになっていたのは確かです。なので、会長から声をかけられたときは、「やってみるか」とスイッチが入りましたね。ただし、「やるからには最低でも週5はジムに来ないとダメ」と言われたので、それ以来、週5の仕事と週5以上のジム通いを両立させています。