自ら野球賭博に手を染めたローズと違い、現時点では大谷に永久追放の恐れはないとした一方、賭博法を専門とするウィッティア大学の名誉教授I・ネルソン・ローズ氏が「違法賭博のためと知りながら借金を肩代わりした場合、かなり重い連邦刑罰が科せられる可能性がある」「たとえ友人を助けるためだとしても、違法賭博業者の債権回収を手伝ったと判断されれば、法的には賭博業に関与したことになる」と指摘している。

 仮に責任が生じた場合、メジャーリーグでは「違法なブックメーカーのために働いたりした場合、最低1年間の出場停止処分を受ける」と定めた規則がある。また、水原氏は否定しているが、もし賭博の対象にメジャーリーグが含まれていた場合、大谷は内部情報を流すなどして関与した可能性を疑われかねない。

 こうなると最大の焦点は、水原氏や大谷を担当する法律事務所が現在主張している「大谷は何も知らなかった」「勝手にお金を使われた」という話の信憑性だ。先述したように今回の一件では、FBIが違法賭博の胴元を捜査しており、水原氏の動きや大谷の口座などについても徹底的に調べるとみられる。

 その過程で「大谷は何も知らなかった」という話に矛盾点が見つかれば、日本が生んだ世界的スーパースターに似つかわしくない状況となる可能性がある。そんな事態にならないことを祈りたい。