当初、水原氏は「翔平に相談し、借金を肩代わりしてもらった。自分の前で翔平が端末を操作し、数カ月に分けてオンラインで振り込んだ」「渡したお金をまたギャンブルに使わないようにと、翔平が直接送金した」と説明していた。しかし、水原氏はこの証言の翌日に「翔平は借金のことも賭博のことも知らなかったし、振り込みもしていない」と前言撤回。大谷は一切関与しておらず、20日の開幕戦後に水原氏がチームの前で謝罪と説明を行ったことで、初めて自分の口座からお金がなくなっていると知ったとしている。

 水原氏の発言撤回に合わせるかのように、大谷の代理人弁護士が所属する法律事務所は「大谷翔平が大規模な窃盗の被害に遭ったことが判明し、この問題を当局に引き渡した」との声明を発表。「大事な仲間を救うために大谷が借金を肩代わりした」という話から一転、「水原氏が勝手に大谷の口座からお金を盗んで借金返済に充てた」という窃盗もしくは横領の話になった。

 もし大谷が「水原氏が違法賭博に参加していた」と知った上で借金を肩代わりした場合、違法行為に加担した、もしくはほう助したという意味で責任を問われる可能性がある。そうした事態を避けるため、水原氏は発言を180度変えたのではと勘繰る声が相次いでいる。

 仮に借金を肩代わりしたとしても、日本人的な感覚だと「大谷の情け深さ」に同情してしまう部分があるが、米国のメディアはシビアなようだ。

 21日付のロサンゼルス・タイムズ紙は「大谷翔平は第二のピート・ローズなのか?違法ギャンブルで借金を肩代わりしたら法的問題に陥る可能性」と題した記事で、伝説的な名選手でありながら監督在任中の野球賭博により1989年にメジャーリーグを永久追放処分(殿堂入りも許されず)となったピート・ローズの名を出して報道。