意味のある「分散投資」をするために必要な3つの要素

分散投資を効果的なものにするには、次の3つの分散が盛り込まれている必要がある。

①投資対象の分散

金融商品の銘柄を分散させる「銘柄分散」と、債券、株式、不動産など、資産(アセット)ごとに分散させる方法。後者を「アセット・アロケーション」といい、どの資産にどれだけの割合で投資するかという資産配分を指す。ポートフォリオ運用においては、銘柄選択よりも資産配分の方が、より重要度が高いと言われている。

②投資時期の分散

投資時期を分散して価格変動によるリスクを軽減される方法。「ドルコスト平均法」は、この考え方に基づく手法である。例えば、価格が高騰(相場が上昇)している時期に購入が集中するのを回避できる。

③投資期間の分散

金利動向を見ながら、投資期間を分散させる方法。また、これも勘違いしている方が多いのだが、金融商品におけるリスクとは、金融商品に投資した結果、得られる収益の幅(ブレ)の可能性、つまり不確実性のことを意味する。

つまり、ある商品に投資して損をすること=リスクなのではなく、儲かったり損をしたりを繰り返す不確かさがリスクなのだ。したがって、まず分散投資は、できるだけブレの小さい、リスクを抑えた投資を心掛けることが目的だということを理解しておきたい。

「分散投資」は日常生活にも応用できる

リスクを分散させるという意味では、分散投資は、日常生活でも応用が可能ではないかと思っている。

例えば、わが家は共働きファミリーだが、夫と私の業種や職種はまったく異なる。
私は自由業という比較的リスクが高い仕事に従事している一方、夫は会社役員ではあるものの、収入的には比較的安定しており公的保障もあるため、病気やケガを負っても、すぐに無収入となるわけではない。

ただ、不安定ではあるが、ある程度の妻の収入が見込める分、家計に余裕が生まれるし、比較的、子どもがまだ小さいので、なにかと妻である私の仕事の融通が利くという利点は大きい。夫と妻がそれぞれ異なる働き方をしていることでリスクを分散させているわけだ。

また、生命保険についても、家族全員が同じ保険会社の同じ商品に加入するのではなく、別の保険会社の商品にそれぞれ加入するのも、保険会社の破綻リスクを分散できる。
もちろん、これは生命保険会社に限ったことではない。

例えば、勤務先に「従業員持株会」がある方も多いだろう。企業側としては、安定株主を確保できる、働くことへの従業員のインセンティブを高めるというメリットがある。

従業員側としても、会社によって「奨励金」がつくことがあるので、資産を効率良く殖やすことが可能だ。一方でデメリットとしては、値下がりリスクや流動性リスク(インサイダー取引の観点から好きな時に売却できない)がある。

そして何より問題なのは、投資と労働が一極集中してしまい、会社がダメになれば資産も収入もパーになってしまう点だろう。

このほか、金融機関では、顧客の囲い込みに躍起になっている。給与振込口座や公共料金の引き落とし、住宅ローン、年金の受け取り口座などなど、いわゆるお得意様には、様々な特典が得られるようなサービスを提供しているが、これらに目を奪われ過ぎず、万が一の場合のリスクヘッジは考慮しておきたい。

文・黒田尚子(黒田尚子FPオフィス代表)/ZUU online

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